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第166回 披 講
第248回 披 講
番号     俳 句 & コメント・読み替え  
◇ 1 番 谷戸に落つ秋の夕焼け鳥の声  
コメント ※谷戸:丘陵地が侵食されて出来た谷状の  
        地形。 季語では「夕焼け」の「け」は不要。  
        秋夕焼を強調する為「や」で切る。  
    詠替えて ※谷戸に落つ秋夕焼や鳥の声  
◇ 2 番 皐月波赤靴にあふ異国の子  
コメント ※皐月波:陰暦五月の海に立つ波。南風が  
        吹き、波が高い。  
詠替えて  
◇ 3 番 終戦日散りし特攻無常なり  
コメント ※このままでも良いが、無念と言い切る  
詠替えて ※終戦日散りし特攻兵の無念  
◇ 4 番 我が想ひムンクの如き雲の峰  
コメント  
詠替えて  
◇ 5 番 秋燈やダイヤル式の黒電話  
コメント ※ダイヤル式の黒電話が残っているのは?  
詠替えて ※秋燈の島にダイヤル黒電話  
◇ 6 番 再会の嬉し恥ずかし汗拭い 
コメント  
     詠替えて  ※再会や嬉し恥ずかし汗拭い   
         再会の嬉し恥ずかし拭ふ汗   
◇ 7 番 車窓より遠くに煙る天ノ川  
コメント ※天の川  
詠替えて ※車窓より遠くに煙る天の川  
◇ 8 番 もやい船野分に軋む波止場かな  
コメント ※「軋む波止場かな」で波止場が軋むとも  
        読めるので、ロープで結ぶ舫船が軋むとした  
詠替えて ※野分なか軋む港の舫い船  
◇ 9 番 秋の暮一人佇む好々爺  
コメント ※「秋の暮」でもいいが「行く秋」にして「や」  
 で切る。漢字が続くので「ひとり」で  
     詠替えて  ※行く秋やひとり佇む好々爺  
◇ 10 番 新盆の友へ供える吟醸酒  
コメント ※逝きし友はお酒が好きだったのだろう  
詠替えて ※秋彼岸お酒の友へ吟醸酒  
◇ 11 番 ベリッシマデッキで散歩星月夜  
コメント ※「MSCベリッシマ」と言う大型クルーズ船  
        句のリズムを良くする  
詠替えて ※ベリッシマのデッキに仰ぐ星月夜  
◇ 12 番 船旅やプールにダンス夜花火  
コメント ※プールも花火も夏の季語。 どちらかを  
        削除する。 夜:「よ」  
詠替えて ※船旅や昼間はプール夜はダンス  
        船旅の昼間はダンス夜は花火  
◇ 13 番 夏祭夢二のような艶姿  
コメント ※夢二の絵は、憂いを帯びた表情や大きな  
       目、細くしなやかな肢体の女性像。  
       中7、下5でこれら詠むには難しい!  
        「夢二の絵のような女性」  
詠替えて ※夏の夜や夢二の絵のごと艶姿  
◇ 14 番 書肆の灯やペンも走るよ秋日和  
コメント ※書肆(しょし):書店。 季語を変えてみる  
詠替えて ※書肆の灯やペンよく走る夜半の秋  
◇ 15 番 秋澄むや石鎚山望む休暇村  
コメント ※「石鎚山」と書いて「いしづち」と読む  
詠替えて ※なし
 
◇ 16 番 百齢の笑みも涙も走馬灯  
コメント ※走馬灯は夏の季語。百齢は広辞苑に見  
        当たらないので、百歳とした  
詠替えて ※百歳の笑みと涙や走馬灯  
        百歳の笑みと涙の走馬灯  
◇ 17 番 故郷の門部に白く百日紅  
コメント ※門部?   
詠替えて ※故郷の門に真白き百日紅  
◇ 18 番 富士仰ぎ飛鳥クルーズ波をどる  
コメント ※季語が無い。 季語を「秋の富士」とし  
    詠替えて ※秋の富士仰ぐクルーズ飛鳥V  
      波おどる飛鳥Uより秋の富士山  
◇ 19 番 終戦日セピアの写真なほ褪せて  
コメント  
    詠替えて ※なし  
◇ 20 番 夜も更けて亡き人近し盆踊  
コメント ※このままでも良いが「忍ぶ」で  
詠替えて ※夜更けまで亡き人忍ぶ盆踊 (〜風の盆)  
◇ 21 番 逝きし母残り香微か秋座敷  
コメント ※秋座敷:秋彼岸でも  
詠替えて ※忌を迎ふ母の残り香秋彼岸  
        母の忌や残り香微か秋座敷  
         
         
若草句会 掲示板
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       俳句を詠む時に気を付ける事の一つに          
  
俳句は短い詩なので、言いたい事を全て書いてしまわないで省略して
読み手に想像して貰う。
色々な読み方がされる程面白く楽しい俳句になります。
  
季語を信頼し、季語に思いを託します。原則として一句に一季語です。
季節は原則当季で詠みます。どうしても必要なら少し先の季節でも可。

 (過ぎ去った季節では季語の力が弱くなる) 

  
取り合わせの句では、中七、下五で季語の説明にならない様にし
中七、下五は上五と無関係の事を詠みます。
  
季語に送り仮名は不要です。歳時記で確認して使う様にしましょう。
例 「書き初め」は「書初」、「福引き」は「福引」など
  
動詞は原則的に一句に一動詞です。多くなると句がまとまりません。
  
五七五の内で文字が字余りになる場合は上五に置くと気になりません。
中七、下五の字余りは句に締まりがなくなり、リズムも悪くなります。
 
 
 
 

 


       
以上 コメントをいろいろ述べてみましたがこれらについてご意見・
       ご感想があればどんどんメールでお知らせください。このページに追加して
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最終更新日時 R 7. 8..27 PM 12. 0
紫 陽 花 の コメント
    「オミクロン」は感染症第5類に指定されました。感染者数の公表もしなくなりましたが
    結構感染者はいますので気をつけてくださいよ。
     我々は俳句を作成することに楽しみを持ちましょう。
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夏井いつきさんの俳句バトル・俳句さく咲く等を参考に各気の付いた 
ことをコメントしていきたいと思います。会員の皆様も披講選句とは別に、各句
の気の付いたこと、また添削句を寄せて頂ければ幸いです。またその添削に対して 
の別な意見があれば寄せて頂きそれをこの画面で追加表示させて頂きます。 
従って、この画面は逐次更新していきますので次号が発表されるまで気の付いた 
ときに鑑賞して下さい。
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  とばについて 01  (オノマトペ)について
  ことばについて 02 (いろいろな詠みのことば)について
  「俳句の形と切れ」について再考
  「俳句の字あまり」について再考
各句の気の付いた点とかその他のコメントは、選句編集の
  後に付けております。ご希望の方は閲覧してください。
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番 号 入 選 12 句        俳 号
13 夏祭夢二のような艶姿
21 逝きし母残り香微か秋座敷 I
我が想ひムンクの如き雲の峰
秋燈やダイヤル式の黒電話 高 越
車窓より遠くに煙る天ノ川 石の花
14 書肆の灯やペンも走るよ秋日和 べいこう
20 夜も更けて亡き人近し盆踊 逸 茶
谷戸に落つ秋の夕焼け鳥の声 べいこう
終戦日散りし特攻無常なり I
再会の嬉し恥ずかし汗拭い 逸 茶

秋の暮一人佇む好々爺
12 船旅やプールにダンス夜花火 はなぶさ
     
 
令和7年 8月1日〜令和7年 8月20日 投句分

    

番 号            特 選 5 句 俳 号
19
終戦日セピアの写真なほ褪せて 投票 5 票
皐月波赤靴にあふ異国の子 投票 4 票 はなぶさ
もやい船野分に軋む波止場かな 投票 4 票 べいこう
10 新盆の友へ供える吟醸酒 投票 4 票 高 越
16 百齢の笑みも涙も走馬灯 投票 4 票 逸 茶