平成 24年 3月 1日~平成 24年 3月20日 投句分
番 号 特 選 5 句 俳 号  
三寒の後の四温を待つ齢 まこと
さりげなく寒暖の変化を上手に詠まれています。
  下五の齢が生きています。
シルバーカー押してリハビリつくし出ず 髙 越  
闘病中の愁いがよくわかります。
  あきらめないでくださいとつい口でます。
春寒や震災のこと思ふ日々 楓 花  
この季節になると思い出します。忘れないでと東北の方が
  テレビ画面でお話ししていたのを記憶しています。
14 蒼天の真っ只中の梅見かな 髙 越  
梅の花には蒼空がよく似合います。
  梅見の景がよく伝わってきます。 
30 電飾を脱ぎて銀杏の芽吹きかな 髙 越  
対象をよく観察されてるなと思いました。
   
番 号 入 選 20 句 俳 号  
それぞれにおもいを胸に卒業す 哲 朗  
蔦若葉古木にからみ輝けり 初 霜  
10 懐かしき幼時の覇気や寒稽古 峰 生  
16 東塔の工事最中や春の風  浩 風  
20 締め切りの催促きたり春炬燵  
22 被災より一年経てど春遠く 菜の花  
23 老木の芽吹きに宿るひとしずく 旅 風  
26 白煙の霞隠れの紙の町 媛 香  
27 雪催(ゆきもよい)今宵は煮豆早々と 楓 花  
31 幾年か悔いを重ねし蕗のとう 旅 風  
32 栄転も左遷もありて山笑う まこと  
34 金堂の修理終えたる春の雨 浩 風  
35 大震災明日(あした)を信じ春を待つ  
36 丹前も縫い呉れた義母一周忌 峰 生  
37 初物の土筆タケノコ届きけり さつき  
39 咲いて落ち咲いては落つる椿かな まこと  
40 草餅を食べて語らう真民碑 さつき  
41 りんりんに乗りて挨拶春日あぶ 初 霜  
42 山笑ふ787の飛び来たる そらまめ  
43 はらからの集ふ大和路山笑ふ 浩 風
花水木選
戻る
互 選 句
第 87 回 披 講
花水木先生のコメント
切れ字の中で「や」は断切感の強い切れ字とされ、
上五に良く使用されます。いかにも俳句らしくなるのですが
「霾や万物みんな薄化粧」のように季語を説明する句となります。
できれば避けたいです。「水仙や荒れ庭の中凛と咲く」
水仙やで切れますので、水仙の季語と関わりない 
説明をされたら佳句になります。
また「や」を「の」にして「水仙の荒れ庭の中凛と咲き」
とすれば句切れないし、句柄が多きくなります。 
「泣きべそをかきし子らも旅立てり」
は句材も良く意味はよくわかります。 
旅立てりは季語ではありませので「入学」「就職」の
季語を充てればと思います。
例えば「泣きべその故郷を出て「入学」(就職)す」です。 
 ☆☆☆ 花水木 ☆☆☆