番 号 特 選 5 句 俳 号  
池の面さざ波たちて蘆の花 石の花  
池の辺に静かに一人佇んでいる様子がよく
  伝わってきます。
17 かき棒をさしあぐもろて秋祭り 浩 風  
勇壮な秋祭りを上手く切り取っておられ、
  臨場感にあふれています。
21 コスモスのそよぐ陋巷母想ふ 浩 風  
きたないちまたに咲くコイモスに、戦後生きてきた時代を
  想う気持ちを母想ふで、見事に詠まれていると思います。
22 足踏みのミシン踏む午後秋うらら 菜の花  
懐かしい風景をさらりと詠まれていて佳句です。
40 吊り橋の錆びしロープや通草(あけび)の実 哲 朗  
秋の山峡の美しい景が目に浮かびます。
    
番 号 入 選 20 句 俳 号  
門潜る迎えてくれし金木犀 哲 朗  
受診終え身も軽やかに秋の空 菜の花  
渡る雁幾年見ずや世は移る 峰 生  
天の川見える空気の旨さかな そらまめ  
かの君の熱き血潮や曼珠沙華 旅 風  
猫じゃらし風の吹くまま身を任せ さつき  
11 捨案山子眠る眼(まなこ)もへのへの字 髙 越  
12 横長の皿一杯の秋刀魚かな 哲 朗  
14 黄落や一休みする畑仕事 そらまめ  
15 山峡にせせらぎありて秋気かな 石の花  
19 蕎麦の花峡(かい)に二軒の藁屋かな 髙 越   
20 遥かなる国へ発つ子や鰯雲 まこと  
25 秋の蝶舞ふ頂上へ登り着き  
26 悠久の揺るがぬ大樹苔清水 峰 生  
28 ケアハウス笑う老婆に秋さびし 石の花  
29 バスを待つ薄き背中に枯葉舞ふ 旅 風  
32 秋祭り親子太鼓の響く夜  
33 花蕎麦や白き風吹く久万の里 哲 朗  
35 秋天やカラクリ時計子規の郷  媛 香  
41 鶏頭をひともと残す畑仕事 まこと  
    
平成 23年 10月 1日~平成 23年 10月20日 投句分
おせっかいまんの"ちょっと一言" 
花水木先生の結社では、かなり自由なところが
あるようでして、余り気にならないようですが,
先生も言われているように、一句の中で「や」「かな」の切れ字は
 極力同時には使わないことと言われているようです。  
  
同窓会しまなみ海道密柑山 
    三段切れのようです。
      また、名詞が三つ並んでいるようです。
19 蕎麦の花峡(かい)に二軒の藁屋かな
      この句は「蕎麦の花 峡に二軒の・・・」のように
      作者の意では「花峡」ではありませんようです。
23 だんじりの優雅に進む川辺かな
      季無しです。現在だんじりは季語ではないようです。
  [日本大歳時記]には掲載されていませんでしたが
  [えひめ俳句歳時記]には(夏)の季語で掲載されていました。
  大変失礼しました  
  ★ いかがですか。★
花水木選
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互 選 句
第 82 回 披 講
花水木先生のコメント
切れ字の中で「や」は断切感の強い切れ字とされ
「かな」もやと同様に強い断定と完了
沈黙と省略の働きがあるとされています。
秋空やGパン乾く一日かなの句は一句中に切れ字
を二カ所使っています。 
俳句としてまとまりがなくなりますので、極力
避けることがいわれています。
秋空と一日を強調していますが、どちらか一つで
も良いのではと思いました。
 ☆☆☆ 花水木 ☆☆☆