平成 23年 9月 1日~平成 23年 9月20日 投句分
花水木選
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互 選 句
花水木先生のコメント
結社の主宰の句にいつも、当用漢字では見慣れない
語句があり当初は苦労しましたが、今では
机上に「漢和辞典」と「広辞苑」を置き繙くのを楽しみにしています。
今月の句に「渺茫」と「うから」がありそれぞれ
句の中で生きていると思いました。 
日常の生活の中であまり使わない語句を使うことで
俳句を詠む楽しさがまた増すのではと思います。
 ☆☆☆ 花水木 ☆☆☆
番 号 特 選 5 句 俳 号  
戸無門風とくぐりぬ望の月 髙 越  
中七の措辞と名月がよく合っていて、
  しかも戸無門がお見事です。
30 はらはらと主なき家の百日紅 楓 花  
廃屋の庭に咲く百日紅に眼を注ぐ優しさがよく窺えます。
31 爽やかに歌ふ白寿の妻の母 浩 風  
濁世を長く生きてこられた義母の慈愛あふれる
  歌声が聞こえてくるようです。
36 被災地も照らせ届けよ十三夜 菜の花  
自然は時として非常ですが、後の月のように普ねく照らして
  くれる面もある点を上手く詠まれていると思いました。
38 鰯雲いづれ1人になる2人 哲 朗  
詠まれてみたらそのとうりと合点です。季語がぴったりです。
    
番 号 入 選 20 句 俳 号  
丁寧に出しを取る朝秋は来ぬ 楓 花  
赤とんぼ行く先々で頭上舞い 菜の花  
土佐の秋渺茫遥か太平洋 峰 生  
曼珠沙華燃える畦道古里の風 石の花  
コスモスのひとつ咲きまたひとつ咲く。 そらまめ  
颱風で戻らぬうから野辺の花 石の花  
14 鈴虫やしじまを破り老いの身に 旅 風  
15 山裾の真っ赤に燃えし曼珠沙華  
18 吾亦紅さらさらゆれて泣いている  
19 赤とんぼ彼方の日々をたぐり寄せ 旅 風  
21 秋夕やけ浜辺の宴火を起こす そらまめ   
22 逆らわぬやうに生きよう猫じやらし 髙 越  
23 中天に月をかかげて芋煮かな 浩 風  
24 満月や雲にかくれる通夜の道 さつき  
28 蟷螂の気迫をもらふ余生かな まこと  
29 敬老日静かな平和二人生く 峰 生  
32 亡き母を忍べば赤き烏瓜  さつき  
33 母歌集読み返したり秋の風  
34 高原の芒にピント雲が湧く  そらまめ  
41 墓石に苔むす字あり墓洗ふ 楓 花  
 
第 81 回 披 講
ちょっと一言 
花水木先生の結社では、かなり自由なところが
あるようでして余り気にならないようですが当句会では
勉強になるので、きっちりして行きたいと思います。
   
朝風は今日もさわやか梨かじる 
    季重ねです:さわやか(秋)梨(秋)
23 中天に月をかかげて芋煮かな
      季重ねです:月(秋)芋煮(秋)
40 台風去り虫の合唱涼やかに
      季重ねです:台風(秋)虫(秋)
     「涼やか」について、涼しい(夏)爽やか(秋)
     難しいですね。