歌声喫茶    

神田川

作詞:喜多条忠
作曲:南こうせつ
唄:南こうせつとかぐや姫

1 あなたはもう忘れたかしら
  赤い手拭いマフラーにして
  二人で行った横丁の風呂屋
  一緒に出ようねって言ったのに
  いつも私が待たされた
  洗い髪が芯まで冷えて
  小さな石鹸カタカタ鳴った
  あなたは私の体を抱いて
  冷たいねって言ったのよ
  若かったあの頃
  何も恐くなかった
  ただあなたのやさしさが
  恐かった

2 あなたはもう捨てたのかしら
  二十四色のクレパス買って
  あなたが描いた私の似顔絵
  うまく描いてねって言ったのに
  いつもちっとも似てないの
  窓の下には神田川
  三畳一間の小さな下宿
  あなたは私の指先見つめ
  悲しいかいって訊いたのよ
  若かったあの頃
  何も恐くなかった
  ただあなたのやさしさが
  恐かった

「歌声喫茶」
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