第 173 回 披 講
平成 31年 5月 1日~令和 元年 5月20日 投句分
番 号 入 選 10 句        俳 号
凧(いかのぼり)令和の御代に君臨す
12 巣立ちの春輝く孫に自転車 はなぶさ
18 夕暮れば水田で合唱青蛙 媛 香
窓下より浮かぶ香りや君影草 べいこう
16 刻太鼓朝寒かけり道後の湯 はなぶさ
15 芒種なり空の曇りて土手散歩 石の花
小町塚少女にそっと道をしへ べいこう
夏帽のピースピースに仁王立ち 高 越
新じゃが耕し宇和の段畑 はなぶさ
湯に浮かし浸るからだを菖蒲かな 石の花
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若草句会 掲示板
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 1/ 5/ 1 石の花 感 想 新元号令和に なって、心も新鮮に新しい気持ちで余命を過ごしたいと
思います。
                      
◇ 1番 小町塚少女にそつと道をしへ
紫陽花 コメント
詠み替えて
  
◇ 2番 夏帽のピースピースに仁王立ち
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 「ピース」(白熊)は愛媛の人しか分からないので俳句に添え書きが必要かも
詠み替えて 夏帽のピースピースに仁王立ち(とべ動物園の白熊ピースを詠む)
  
◇ 3番 凧(いかのぼり)令和の御代に君臨す
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 漢字は「たこ」なので漢字と()を止めてひらがなで
詠み替えて いかのぼり令和の御代に君臨す
  
◇ 4番 新じゃが耕し宇和の段畑
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 新じゃがを栽培しているのは宇和でなく宇和島の遊子水荷浦の段畠です。
詠み替えて 新じゃがや海面輝く水荷浦 / 新じゃがや遊子(ゆす)に段畠五十段
  
◇ 5番 過ぎし日の五右衛門風呂に菖蒲浮く
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 古い五右衛門風呂に菖蒲が浮いていると意味は分かるが散文的な表現
菖蒲は風呂に入れて菖蒲風呂にしたり軒に吊るして邪気払いにする
詠み替えて 過ぎし日の五右衛門風呂や軒菖蒲
  
◇ 6番 夏帽や象描く子等のはしゃぎ声
 1/ 5/27 コメント 春の砥部動物園の写生大会。絵を描くよりおしゃべりのほうが楽しそうです
詠み替えて
 
◇ 7番 窓下より浮かぶ香や君影層
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 下五の字余りは避ける / 君影草は鈴蘭のこと
上五、中七が君影草のことを言っている。「や」で切る場合に気を付ける事を再考
詠み替えて 君影草庭の隅から香り来る / 鈴蘭の窓に入り来る香りかな
  
◇ 8番 湯に浮かし浸たるからだを菖蒲かな
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 菖蒲の事を詠んでいるのか、菖蒲湯を詠んでいるのかどちらか一方に絞って
詠み替えて 菖蒲湯に軒に吾子らの邪気払ふ  (菖蒲の事を詠む)
  
◇ 9番 菜の花忌机の前に座しており
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 菜の花忌」=司馬遼太郎の忌日のこと
詠み替えて 図書館に読書コーナー菜の花忌 / 菜の花忌城下に坂の上の雲
  
◇10番 ハナミズキ駅まで続く街路樹の
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 句にカタカナを使う場合の制約を再考 ハナミズキ→花水木
俳句では、カタカナを使うのは固有名詞や外来語などの場合。
詠み替えて 街路樹の駅まで続く花水木
 
◇11番 緑蔭に画板寝かせてにぎり飯
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 砥部動物園の写生大会の景が見える。待ちに待ったお弁当の時間
詠み替えて 緑蔭にお画板預けておべんとう
  
◇12番 巣立ちの春輝く孫に自転車
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 山頭火風の自由律の句。爺からお祝いピカピカの自転車。孫もピカピカの
一年生「巣立」と「春」季重なり
詠み替えて 入学の輝く孫へ自転車を
  
◇13番 蓬摘む母の手作り懐かしむ
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 懐かしいのは手作りすることか味なのか。季語を蓬餅に変えて味を懐かしむ
詠み替えて 蓬餅母の手作り懐かしく / 蓬餅の懐かしきかな母の味
 
◇14番 地蔵盆にためらいがちの落椿
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 季重なり「地蔵盆」秋、「落椿」は春の季語 
質 問 句の意味が良く分からないので教えてください
詠み替えて
 
◇15番 芒種なり空の曇りて土手散歩
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 土手散歩がちょっと詰まった感じです。 空の曇りて→曇天
詠み替えて 曇天の土手に眺める芒種かな
  
◇16番 刻太鼓朝寒かけり道後の湯
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 「朝寒」は秋の季語。三段切れ
詠み替えて 春暁の道後に響く刻太鼓
  
◇17番 母と子か田舎道行く花遍路
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 「花遍路」は小説の題名? 季語ではない
詠み替えて 田舎道歩く母子の遍路笠 / 田舎道母子草鞋(わらじ)の徒遍路(かちへんろ)
  
◇18番 夕暮れば水田で合唱青蛙
 1/ 5/27 紫陽花 コメント 中八は避ける。~~すれば~~は説明の形式になる。
詠み替えて 夕暮れの蛙合戦おちこちに 
  夕暮れて水田(みずた)でかわず合唱す 
  
 
   以上 コメントをいろいろ述べてみましたがこれらについてご意見・
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番 号            特 選 5 句 俳 号
過ぎし日の五右衛門風呂に菖蒲浮く 投票 5 票 石の花
13 蓬摘む母の手作り懐かしむ 投票 5 票 媛 香
夏帽や象描く子等のはしゃぎ声 投票 4 票 高 越
17 母と子か田舎道行く花遍路 投票 4 票  
11 緑蔭に画板寝かせてにぎり飯 投票 4 票 高 越
5 月 の コ メ ン ト 解 説
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     [季語は主役に]俳句の基本
    説明の言葉]を避ける
     言葉の無駄遣い]をしない 
     ④ 情景をしっかり[映像化]する
      ありふれた表現は避ける。
     17音には1つのポイントにする
      中七は字余りにしない 
      情景を鮮やかに
      助詞一つでオリジナリティー
      「も」は重ねて使うと効果的。
      説明的な表現を避ける
      語順を効果的に
      表現は、具体的に
      理屈より映像を
       語順だけで味が変わる 
       原因から結果の表現は避ける 
       季語を比喩に使うのは効果が薄れる 
      切れを有効的に使用する。
      言葉のイメージは時代により変化する。
      虚構には映像を補足する。
夏井いつき の 俳句プレバトより   
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       NEW  ちょっと感じたままに
  
◆ 一般的に季語の選択では現在又は少し先の季語を使うようにしたい。過去の作句は季語を置き換える。
◆ 季語と一般的な言葉では送り仮名が異なるので注意(季語は送りかなが付かない場合が多い)。
◆ NHK俳句さくさくでよく言われているのが文語体と「切れ字」。切れ字は強調され句が引きしまる。
◆ 季重なりは無くなったが、五七五のリズムが今一。
◆ 何を言いたいか的を絞って簡潔に書く。 省略を徹底
◆ 何度も読み返して事の説明になっていないか見直す。(特に助詞の使い方)
  ◆ 一句の中で表現が文語と口語が混在するのは良くない。俳句大会等では一般的
  に文語が使われる。口語でも可能。NHK俳句作さくでは文語体を勧めている。
◆ 心(淋しい、悲しい、うれしい、美しいなど)は言わないで別の表現で分からせる。
互 選 句
 紫 陽 花 の コメント
   新元号 [令和]の時代に入りました。
   新たな気分で新鮮な気分で俳句を楽しんで行きましょう。
   この句会も皆さん高齢化の波にさらされて会員も少なくなりました。
     新しい会員が増えることを念願に皆さん俳句を楽しみましょう。
     
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夏井いつきさんの俳句バトル・俳句さく咲く等を参考に各気の付いた 
ことをコメントしていきたいと思います。会員の皆様も披講選句とは別に、各句
の気の付いたこと、また添削句を寄せて頂ければ幸いです。またその添削に対して 
の別な意見があれば寄せて頂きそれをこの画面で追加表示させて頂きます。 
従って、この画面は逐次更新していきますので次号が発表されるまで気の付いた 
ときに鑑賞して下さい。
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   ことばについて 01  (オノマトペ)について
   ことばについて 02 (いろいろな詠みのことば)について
   「俳句の形と切れ」について再考
   「俳句の字あまり」について再考
 各句の気の付いた点とかその他のコメントは、選句編集の
   後に付けております。ご希望の方は閲覧してください。
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  皆様から「特選」「入選」に選ばれるのを楽しみだったのに。
  (選句数からの判断でも良かったのに)の声が聞かれました。
  従って以前のように入選句として啓上することに致します。
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紫陽花