吾 亦 紅 様 の コメント |
作句するにはとても良い季節が巡ってきました。 |
自然の中にゆったりと身をおいてみてください。小鳥来る季節です。 |
風の声、木々の囁き、澄む水の音、紅葉する山々、草花 |
たちが、やさしく語りかけてくれます。さあ、一歩でも外へ |
出て作句しましょう。テレビを見ての五七五では、読み手の |
こころに響くものがありません。 |
番 号 | 特 選 5 句 | 俳 号 | |
5 | 大歩危峡きしむ櫓の音や紅葉川 | 高 越 | |
静かな秋の渓谷に響く櫓の音はさらに静寂を深め | |||
ます。目と耳を並立して詠んだ作品。 | |||
景色の広がりも感じられます。「紅葉川」は、川 | |||
の名ともとれます。「渓紅葉」としては、いかが | |||
でしょう。 | |||
8 | コンバイン倒れた稲を起こしつつ | そらまめ | |
こんな場面に出くわすと、ついつい機械の鮮やかさ | |||
に歩を止めて暫し見惚れてしまいます。 | |||
11 | 日が落ちて祭太鼓の稽古打ち | 媛 香 | |
老いも若きも祭りは大好き。早々と太鼓打ちの練習 | |||
祭りが待ちきれない様子が読んでとれます。 | |||
17 | 秋の夕追われるごとくウオキング | 菜の花 | |
追われるごとくとは言い得て妙。秋の暮れともなる | |||
と誰もが、ふとそんな感慨を覚えるものです。 | |||
ふりかへりだあれもゐない秋の暮れ 草間時彦 | |||
の句が、思いだされます。 | |||
33 | 旬の市訪ねし夕餉栗の飯 | 高 越 | |
炊き立ての栗ご飯、ほこほことして美味しそう。 | |||
幸せな家族の食卓風景。会話まで聞こえてきそうです。 | |||
番 号 | 入 選 15 句 | 俳 号 | |
1 | 勇壮な太鼓台ゆく秋日和 | 浩 風 | |
2 | 満月の片影薄く蝕を見る | 石の花 | |
3 | 落葉踏み句は出来たかと夫煩い | 媛 香 | |
(夫煩い)は、俳句的(詩的)表現として如何で | |||
しょう。(夫の声)でも、いいと思います。 | |||
4 | やや寒し皆既月食撮影す | 泉 | |
6 | 後鳥羽院流さる島の秋夕焼け | 扇 | |
7 | 北国の友から届く秋野菜 | 泉 | |
9 | 秋天へ凜と聳える摩天崖 | 扇 | |
10 | 秋祭り統一よせの大拍手 | 浩 風 | |
12 | 土塀越し金木犀の香のかおり | 哲 朗 | |
13 | 友逝きて回顧をしのぶ良夜かな | 石の花 | |
21 | 余命言ふ友の背後(うしろ)に木の葉舞う | 旅 風 | |
24 | 新米の光の粒を食べにけり | 哲 朗 | |
27 | 脱穀の藁の匂いや秋日和 | そらまめ | |
28 | 拳玉の柄先にすぽん敬老日 | 浩 風 | |
30 | 鬼太郎をカメラレンズに秋の旅 | 扇 | |