互 選 句
平成 26年10月 1日~平成 26年10月20日 投句分
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第 118 回 披 講
 吾 亦 紅 様 の コメント
 
 作句するにはとても良い季節が巡ってきました。
 自然の中にゆったりと身をおいてみてください。小鳥来る季節です。
 風の声、木々の囁き、澄む水の音、紅葉する山々、草花
 たちが、やさしく語りかけてくれます。さあ、一歩でも外へ 
 出て作句しましょう。テレビを見ての五七五では、読み手の 
 こころに響くものがありません。 
 
番 号 特 選 5 句 俳 号  
大歩危峡きしむ櫓の音や紅葉川 高 越  
静かな秋の渓谷に響く櫓の音はさらに静寂を深め
  ます。目と耳を並立して詠んだ作品。 
  景色の広がりも感じられます。「紅葉川」は、川 
  の名ともとれます。「渓紅葉」としては、いかが 
  でしょう。
コンバイン倒れた稲を起こしつつ そらまめ
こんな場面に出くわすと、ついつい機械の鮮やかさ
  に歩を止めて暫し見惚れてしまいます。
11 日が落ちて祭太鼓の稽古打ち 媛 香
老いも若きも祭りは大好き。早々と太鼓打ちの練習
  祭りが待ちきれない様子が読んでとれます。
17 秋の夕追われるごとくウオキング 菜の花  
追われるごとくとは言い得て妙。秋の暮れともなる
  と誰もが、ふとそんな感慨を覚えるものです。 
  ふりかへりだあれもゐない秋の暮れ 草間時彦 
  の句が、思いだされます。 
33 旬の市訪ねし夕餉栗の飯 高 越  
  炊き立ての栗ご飯、ほこほことして美味しそう。
  幸せな家族の食卓風景。会話まで聞こえてきそうです。
 
番 号 入 選 15 句 俳 号  
勇壮な太鼓台ゆく秋日和 浩 風  
満月の片影薄く蝕を見る 石の花  
落葉踏み句は出来たかと夫煩い 媛 香  
  (夫煩い)は、俳句的(詩的)表現として如何で     
  しょう。(夫の声)でも、いいと思います。     
やや寒し皆既月食撮影す  
後鳥羽院流さる島の秋夕焼け  
北国の友から届く秋野菜  
秋天へ凜と聳える摩天崖  
10 秋祭り統一よせの大拍手 浩 風  
12 土塀越し金木犀の香のかおり 哲 朗  
13 友逝きて回顧をしのぶ良夜かな 石の花  
21 余命言ふ友の背後(うしろ)に木の葉舞う 旅 風  
24 新米の光の粒を食べにけり 哲 朗  
27 脱穀の藁の匂いや秋日和 そらまめ  
28 拳玉の柄先にすぽん敬老日 浩 風  
30 鬼太郎をカメラレンズに秋の旅