| 2月分選句と披講 | ||
| 春を呼ぶといわれる椿まつりが終ったあとしばらく寒い日がありました。 | ||
| しかし月の後半は暖かい日がつづき総じて暖冬、梅の開花も例年より | ||
| 1〜2週間早いようです。今月は「春・春の海・春の水・春の月」など春の字が | ||
| 付いた季語が目立ちました。また梅の季語も多かったですね。 | ||
| 番号 | 特 選 5 句 | 俳 号 |
| 14 | 鳰潜る順番浮く順番 | まこと |
| 鳰(かいつぶり)は順番があるように次々と潜り、 | ||
| 次々と浮いておもしろい。着眼が良い。 | ||
| 27 | 絵手紙に拾いたる春はみ出せり | まこと |
| 春を表現しているのは梅か、その梅がはがきをはみ出しているという、 | ||
| いかにも春らしい絵手紙である。 | ||
| 28 | 満ち潮にかたまってくるさよりかな | いなご |
| 透きとうったような針魚(さより)の群れに春を感じるのである。 | ||
| 32 | 石垣の里なる子らの石の雛 | 浩 風 |
| 石垣村の昔から伝わる素朴な風習。石の雛とは珍しい。 | ||
| 43 | 水温む浅瀬に動く稚魚の影 | 越 |
| 春めいてくると稚魚も動きも活発になる。 | ||
| 番号 | 入 選 2 0 句 | 俳 号 |
| 3 | 春一番雀寄り添う屋根の影 | そらまめ |
| 4 | 山里の波打つ甍蕗の薹 | いなご |
| 8 | 春疾風アンパンマンの汽車が来る | そらまめ |
| 9 | 絵付けせし爺の似顔絵日脚伸ぶ | 越 |
| 12 | 直らない寝癖押えて冬帽子 | 楓 花 |
| 16 | 霰止み時計の音の戻りけり | 千 柳 |
| 21 | お茶室へ行き交う庭の梅一輪 | さつき |
| 22 | ヒトツバタゴ残る葉一枚冬温し | コスモス |
| ☆ 「ヒトツバタゴ」は別名「なんじゃもんじゃのき」 | ||
| 23 | ひとすじの黄金色した冬の海 | 泉 |
| 25 | 山襞の斑模様や水温む | 越 |
| 26 | 朝日射す温もり残る寒卵 | 哲 朗 |
| 34 | ぼうたんの赤き芽包む雨雫 | いなご |
| 35 | 熱燗や今日も一日恙無し | 千 柳 |
| 36 | 琴の音の香り運びし梅見茶屋 | 哲 朗 |
| 37 | 四万十の漁り火恋し春月夜 | 泉 |
| 38 | 花菜雨坊ちゃん列車連結す | 楓 花 |
| 39 | 段畑覆い隠せり里の梅 | コスモス |
| 41 | 節分や巻き寿司売り場混雑す | 媛 香 |
| 44 | ペタル踏む腹式呼吸息白し | さつき |
| 45 | 梅見して後の一服梅茶かな | 浩 風 |
| 番号 | 問 題 句 | |
| 6 | 愚陀仏庵俳句王国春隣 | |
| 愚陀仏庵|俳句王国|春隣|と三段切れになります。 | ||
| 7 | 焼き牡蠣の食い放題の春の旅 | |
| 牡蠣は春の季語で季重ねになります。 | ||
| 15 | 梅ヶ香や新世界聴く家路かな | |
| 「や」「かな」といった強い切字は一つにする。 | ||
| 19 | 柊挿す鰯の頭猫狙ふ | |
| 「柊挿す」とは節分に焼いた鰯の頭を刺した柊を戸口に | ||
| 挿すことです。 | ||
