
| 8月分 25句選 | ||
| 今年は梅雨が早く明けましたが、その後、連日の真夏日で本当に暑いで | ||
| すね。夏ばてしなかったですか。私は年を重ねるごとに暑さが身に沁みます。 | ||
| 新暦の盆が過ぎると熊蝉の声から法師蝉の声に変わってきて自然界は秋 | ||
| の気配を感じさせます。また、「処暑」ともなると朝夕は涼しくなりほっとしました。 | ||
| 日本人の平均寿命は女性は86歳で世界1、男性は79歳で世界3です。 | ||
| みなさん、元気で頑張りましょう。 | ||
| 番号 | 特選 5句 | 俳 号 |
| 4 | 叱られて九九繰り返す帰省の子 | 楓 花 |
| 祖母が帰省の孫に九九を教えている。孫は叱られながらも一生懸命 | ||
| 九九を繰り返している。情景が見えてきます | ||
| 20 | 帆船のセールドリルや雲の峰 | そらまめ |
| 日本丸か、帆が入道雲をバックに風を一杯はらんでいる。晴れ晴れ | ||
| とした光景。素晴しい光景を平明に詠んだ佳句。 | ||
| 29 | 立てかけし鍬に?まる蝉の殻 | まこと |
| 農作業を終えた鍬が綺麗に洗って立てかけてある。その鍬にしがみ | ||
| つく蝉殻。 今、蝉はどこで活動しているのだろう。 | ||
| 32 | 終戦日兄の残せし和英辞書(添削) | さつき |
| 今日は終戦記念日。優しかった兄が愛用した和英辞書を手にとってみる。 | ||
| そして平和のありがたさをしみじみ感じるのである | ||
| 35 | 胡弓の調べ胸に秘めたし風の盆 | 泉 |
| 「風の盆」といわれる行事は各地にあるが、富山県八尾町で、「越中おわら節」 | ||
| を歌い踊る行事が有名。胡弓の調べと哀愁の歌が町中に流れる。 それぞれ | ||
| の想いを胸に踊り明かす。 | ||
| 入選 20句 | 俳 号 | |
| 2 | 子ら去りてやっと我が家の終戦日 | そらまめ |
| 7 | 極辛のライスカレーや炎天下 | いなご |
| 8 | 渋団扇両手であふぐ酢の匂ひ | 越 |
| 10 | 早々に涼を求めて墓所を出る | 千 柳 |
| 11 | 結界を超えたる蝉の雄姿かな | コスモス |
| 15 | 門火焚くちちははの声聞きたくて | 泉 |
| 16 | 手拍子につられて入る踊りの輪 | まこと |
| 17 | 朝刊の落ちる音にも涼新た | まこと |
| 18 | 蜩の声の寄せ来る露天風呂 | 哲 朗 |
| 19 | 巡礼やひとり佇み青田風 | 媛 香 |
| 21 | 朝顔の日毎に数の減りにけり | さつき |
| 27 | 草いきれ残して暮れし無人駅 | 哲 朗 |
| 36 | 蝉堕ちて世の儚さを語りをり | 峰 生 |
| 38 | 盆用意確かむる人今は亡く | 楓 花 |
| 40 | 振り上げる手もしなやかに阿波踊り | 越 |
| 42 | 空蝉のしかと掴みし大鳥居 | 哲 朗 |
| 43 | 黒き種白き種ある西瓜かな | いなご |
| 44 | 涼しさを自動扉が街に吐く | 千 柳 |
| 45 | 盆踊り伸ばす手の先顔見知り | 楓 花 |
| 48 | せわしなく盆客迎ふ妻の背な | 浩 風 |
| 問題句 | ||
| 1 | サボテンが今年は暑いとつぶやいた | |
| 「サボテン」「暑い」夏の季語です。 | ||
| 5 | 終戦の玉音聞きし十二歳 | |
| 「終戦」は季語ではありません。 | ||
| 「終戦忌」「終戦日」とかで季語になっています。 | ||
| 39 | 船虫や舟端走り潮の音 | |
| 物が多過ぎます。焦点を絞って簡明に詠みましょう。 | ||